〔第1日目 8月19日〕
【帯広空港で現地集合。北海道農民連・山川秀正委員長(正面)の出迎えを受けました。】
自給率200%の北海道は日本の食糧基地。最初の訪問地は畑作が中心の十勝地方です。なかでも国産小麦はこの十勝が全国の3割以上を生産する一大産地。バス2号車は、道産小麦の製粉工場・山本忠信商店「十勝夢mill」(音更町)に向かいました。
【同社B&Sカスタマーサポートの佐藤修氏から説明を受ける参加者】
【十勝で生産される5種類の小麦】
【バス2号車の参加者集合写真】

バス1号車は、十勝産小麦100%でパンを作る満寿屋商店麦音店(帯広市)へ。
【麦音店の広大な庭園で、杉山雅則社長(写真右の男性)のお話を聞く】
“日本一の豆の町”本別町へ
かつては林業で栄えたこの町は、現在農業生産額の4割を畑作、6割を畜産部門が占め、とくに20種類もの豆が生産される“豆の町”です。第1日目の郷土食交流会は本別町中央公民館で開かれました。
【「本別義経太鼓保存会」の子どもたちの威勢のよい太鼓でオープニング】
【畑作地帯の自慢の作物や海の幸を使った料理の数々】

【テーブルを回って列車参加者と交流する高橋正夫町長】

〔第2日目 8月20日〕
本別から中標津・別海町へ 風土を生かした酪農の現場を訪ねる
午前中は本別町「源すし津村会館」で講演会です。
【「十勝の郷土食−特に豆」をテーマに講演する料理研究家・林敏子さん】

【「日欧EPAは北海道農業を直撃」をテーマに北海道農民連・山川秀正委員長が講演】
研修の後は、珍しい黒豆で作られた昼食です。
【「黒豆納豆の軍艦巻き」】 【黒豆うどん】

【道の駅ステラ本別で楽しい買い物】
バスは本別町から中標津町、そして酪農地帯・別海町へ。当会は酪農家の方たちとの交流は今回が初めてです。
この日の夕食交流会は、別海町西春別のクローバーハウスのガーデンにあるD型ハウスで行われました。
【準備されたご馳走】
【別海のサフォーク種のラム肉を使った「ジンギスカン」を囲んで】

【みそ味の「鮭のチャンチャン焼き」】
食事の後、翌日訪ねる陸上自衛隊矢臼別演習場について、その時行われていた日米合同演習の問題や平和を求める運動の歴史などをパワーポイントを使ってお聞きしました。
【矢臼別平和委員会・中村忠士事務局長のお話】

その夜はホテルで、マイペース酪農の中心メンバーで、酪農適塾塾長、農場継承を支援する会会長の三友盛行さんを囲む「夜の集い」が開かれました。
【三友哲学の魅力に惹きこまれた「夜の集い」】
〔第3日目 8月21日〕
午前中は、三友さんが40年間牛飼いをしながら後継者を育てたマイペース酪農を実践する吉塚牧場を見学しました。
【畑に還元する完熟堆肥の作り方を説明する三友さん(中央)】
【今年三友さんから牧場を委譲された吉塚夫妻と三友さん(右)】
【「酪農の主人公は牛・土・草であり、農民はその助け手」の考えで育てられている人懐っこい牛たち】
「第26号伝統食列車in別海」(於 別海町西公民館)
朝夕の搾乳があるので、昼食の郷土食交流会を引き受けていただきました。マイペース酪農の農家さんが絞った牛乳を、鍋でゆっくり低温で温めて殺菌した本物の牛乳の味。手作りのチーズ、ベーコン、ソーセージ、ハムなども。「マイペース酪農の実践でゆとりある暮らしだからこそできる手作りです」と、作り手さんが強調されました。
【畑の野菜、保存していた山菜、地元の海の幸を生かした料理の数々に思わず参加者に笑顔が】
【ひとくちおにぎり(手前)。自家製酵母と道産小麦粉を使用し、イチジク、レーズン、抹茶を入れて焼き上げられたパン(奥)】
【自家製のゴーダチーズを溶かし、野菜やソーセージ、パン、餅に絡ませて食べる「焼きチーズ」のコーナー】
【みたらしのたれをつけていただく「イモ団子」のコーナー】
別海町での交流会の後、別海町など三町にまたがる日本最大の陸上自衛隊矢臼別演習場へ。過去最大の日米合同演習の真っ只中、滞在した1時間足らずの間に10発近くの砲弾が鳴り響き、「平和でこその食」をひしひしと感じました。オープンした「平和の家・美術館」を見学しました。
【“反戦地主”川瀬氾二さん亡き後を引き継ぐ、浦舟三郎さん(中央)の説明を聞く】
バスは最終の訪問地釧路へ。26号列車最後の郷土食交流会は、「釧路市交流プラザさいわい」で開催されました。
【「釧路の伝統食ってなんだぁ〜の会」の皆さんの料理の数々】
【アイヌ伝統楽器 トンコリ演奏】
【イクラ入りちらしずし】
【三平皿に盛られた「三平汁」】
〔第4日目 8月22日〕
あいにくの雨の中、バスで石川啄木ゆかりの港文館へ。
【「釧路啄木の会」事務局長・山手敏夫さんのお話を聞く】
水産加工現場・阿部商店へ。
【「釧路の漁業について」阿部英晃社長のお話を聞く】
最後の昼食は同社工場直営の鮭番屋で海の幸をたっぷり味わいました。
【手前左:「ほたて・いくら丼」右:「味噌汁」上:「秋刀魚とハラスの炭火焼」
北海道に開拓団として入植して100年余り、厳しい自然と闘いながら原野に種を植え、開墾して畑を増やしアイヌの人たちに学びながら気候風土に合った暮らしを切り開いてこられました。
日本の食糧基地といわれ、道内の食料自給率は200%ですが、この陰にある苦労や、直面する日欧EPAをはじめ自由貿易の直撃が心配される北海道に対して、食べる側の問題として「何をどう食べるのか」を厳しく問われた26号列車でした。これからの交流を大事にしたいと思います。
第26号伝統食列車についての詳細は、伝統食だより第208号をご覧ください。
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