伝統食ってなんだ! 未来はこれだ! 2016年6月18日(土)大阪天満橋のドーンセンターで、会創立35周年・「伝統食だより」発行200号 記念祝賀会を開催しました。
全国から会員・読者や当会と交流のある各界の方々など、計88名が参加して下さいました。
[ 第 1 部 ] はじめに新事務局長・祝賀会実行委員長の大坊孝子が「日本の食が今後どの方向に行くのか大変懸念されていますが、未来に向けて新たな出発になる祝賀会にしたい」と挨拶しました。

【開会の挨拶をする大坊孝子事務局長】
続いて機関紙「伝統食だより」編集責任者の中筋恵子が、200号まで発行し続けることができたお礼を述べ、会活動と両輪の機関紙作りに今後ともご協力をと呼びかけました。

【編集責任者・中筋恵子】
来賓の3人の方から、お祝いの言葉をいただきました。

【長野県栄村元村長・高橋彦芳氏】

【良い食品を作る会会長・高木久助氏】

【料理研究家・清水信子先生】
記念講演 記念講演は、「伝統食のこれまでと未来」をテーマに、江原絢子先生(和食文化国民会議理事・副会長 東京家政学院大学名誉教授)にお話ししていただきました。
江原先生は、江戸時代の料理書との出会いが日本の食文化を歴史的に調べるきっかけになったと話され、江戸時代の料理書の特徴と魅力を語られました。江戸時代にはすでに、現在に伝わる和食(日本)料理の考え方が形成され、日本人は海外からの新しい文化を受容しながら日本の文化と融合させてきました。伝統食の調味料や煮物の調味の仕方がこれまでも変化してきたように、今後も伝統食は変化して行くものであると話されました。
『和食:日本人の伝統的な食文化』が、2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録されました。「和食」の意味を料理そのものではなく、「自然を尊重」し季節感を楽しむ心、食材を大切に使い尽くす工夫や技術、健康に寄与する食事の基本形などと位置付け、行事・行事食などを通して神へのご馳走を用意し共に食べながら家族や地域の絆を深めて来た伝統的な食文化を、次世代に継承したいと結ばれました。
【「日本人の伝統的食文化を次世代に継承を」と語る江原先生】
続いて「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)」事務局長・坂口正明氏から、『最近“食”に関わって、気になること』の問題提起がありました。
1、さまざまに起きている食をめぐる動き
2、何が起きているのか、その背景は
3、私たちは、これにどう向き合うのか
食ほど人の暮らし、社会を総合的に映し出すものは無い。私たちが、さまざまに起きている動きとどう関わって行くのかを考える際に、「伝統食」はヒントを提起してくれるのではないかと坂口さん。今後の運動への大事な視点を示していただきました。

【「そうだったのか!TPP」のパンフを紹介する坂口さん】
第1部が終わり、会場内の展示物に参加者は真剣に見入っていました。

【手書きからスタートした創刊号】 クリックすると拡大されます

【伝統食列車第1号出発】 クリックすると拡大されます

【中筋恵子の現地への精力的な取材により作られる機関紙】
[ 第 2 部 ] 祝 宴 各テーブルには、お弁当と「ごま豆腐とじゅんさいの冷やし汁」が準備され、メインテーブルには、合計24種類の料理が並びました。
【「お弁当」上段左から(泡雪かん・トマトジュースの寒天寄せ・花豆の煮豆・わらびの酢の物)まん中(すきすきロール・さくらんぼ・はもきゅう)右(鰆の西京焼き・出し巻き卵・ししとう焼き)下段左(たこ飯・白飯・守口漬け)右(茎わかめの炒め煮・卯の花団子・筍の佃煮)】

【「ごま豆腐とじゅんさいの冷やし汁」】
浪速料理研究家の上野修三氏の乾杯の音頭で祝宴が始まりました。
祝い膳は、会誕生のエピソードにある「しょうもないもん」の一つ「茎わかめの炒め煮」から、大阪の郷土料理、伝統食列車で出会った料理、国際マメ年にちなんだ豆料理、味噌料理、おから料理、日本のおやつなど『これぞ日本の伝統食!』と胸張って言えるものばかりでした。

【「郷土食はグローバルにせず、国内でしっかり伝承しましょう」と呼びかけ乾杯の音頭を取る上野修三氏】

【ずらりと並んだ「伝統食はこれだ!」】

【泉南の箱ずし】

【乾物を使った煮しめ】
食事をいただいてから料理の作り手さんからお話を聞き、参加者と交流しました。
各分野で活躍されている皆さんの報告の後、祝賀会事務局の生田喜代子のお礼の挨拶で閉会となりました。
【メインテーブルの料理献立】
・紅白餅 ・蒸しおこわ ・泉南の箱ずし ・朴葉(ほおば)ずし
・煮しめ(乾物入り) ・いたどりの炒め煮 ・大阪しろなの煮びたし
・切り干し大根と昆布のイリチー ・鮒ずし
・泉州水なすの糠漬け ・寒干し大根の煮物 ・卵黄の味噌漬け
・木綿豆腐の味噌漬け ・食養鉄火みそ ・野菜入り鶏みそ
・しそ巻き ・鶉豆の五目煮 ・ごより豆 ・幸福豆(こふくまめ)
・黒豆の煮豆 ・おはぎ ・水無月 ・ふのやき
・性学餅(せいがくもち)
祝賀会の詳細は、伝統食だより201号に掲載されています。伝統食だより購読ご希望の方は、メールにて下記アドレスにお申し込みください。
posted by dentousyoku 2016/07/26
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